【年齢に応じて満足度が変動】クマ取り治療の影響因子を統計学的に解析した論文が国際学術誌「Archives of Aesthetic Plastic Surgery」に掲載

経結膜脱脂術における早期治療の妥当性が明らかに

松村 圭祐医師らは、クマ取り治療における患者満足度の年齢依存性と満足度向上因子について解析し、論文「Age-Dependent Satisfaction After Transconjunctival Fat Removal for Lower Eyelid Bags: A Multivariate Analysis of Predictive Factors」(経結膜脱脂術における患者満足度の年齢依存性と満足度向上因子の解析)を発表いたしました。

同論文は2025年10月、美容外科領域の国際学術誌「Archives of Aesthetic Plastic Surgery(AAPS)」に掲載されました。AAPSは、美容外科領域の臨床・研究を扱う国際英文誌であり、外科的エビデンスの蓄積に寄与する国際的な学術プラットフォームとして知られています。
本研究は、目の下のクマに対する代表的治療である経結膜脱脂術において、患者満足度に影響する因子を統計学的に解析し、年齢に応じて満足度が変動することを明確に示した報告となります。

これまで“クマ取り”治療の適切なタイミングは、経験的判断に委ねられることが多い領域でした。本研究により、年齢によって満足度が統計学的に変化することが示され、早期治療の妥当性が科学的に裏づけられました。

論文「Age-Dependent Satisfaction After Transconjunctival Fat Removal for Lower Eyelid Bags: A Multivariate Analysis of Predictive Factors」

発表した論文の画像

文献情報

論文タイトル Age-Dependent Satisfaction After Transconjunctival Fat Removal for Lower Eyelid Bags: A Multivariate Analysis of Predictive Factors
掲載誌 Archives of Aesthetic Plastic Surgery
掲載日 2025年10月31日
著者 Keisuke Matsumura, Yuichi Jono, Hiromichi Okuma, Takahiko Tamura, Hiroo Teranishi
URL https://e-aaps.org/journal/view.php?number=876

論文要旨

背景

経結膜脱脂術はアジアの美容医療において広く行われているが、その特異的な効果や年齢、併用治療による影響については明らかになっていない。

方法

患者50人(中央値50歳)の術後1ヶ月時点での評価を行った。膨らみ、色素沈着、たるみに対する満足度を、5段階の「眼窩周囲満足度リッカート尺度(PSLS)」を使用した。また、術前・術後の写真を、手術内容を知らない2人の医師が独立して評価し、その平均値を医師評価スコアとした。統計解析として、ノンパラメトリック検定、ROC曲線解析(AUC:曲線下面積)、および順序ロジスティック回帰分析を行った。

結果

患者による満足度スコアの中央値は、膨らみが5点、色素沈着とたるみが4点であった。医師による評価スコアは、色素沈着(P<0.001)およびたるみ(P=0.002)において患者評価より有意に低かったが、膨らみでは有意差はなかった(P=0.080)。患者と医師の評価の相関は中程度から強い(ρ=0.55-0.70)相関を示し、医師間の信頼性も良好であった(級内相関係数=0.78)。50歳未満の患者による評価は、膨らみ(P=0.026)およびたるみ(P=0.003)について、50歳以上の患者よりも高かった。ROC解析により、膨らみ・色素沈着・たるみの年齢カットオフ値はそれぞれ54歳(AUC=0.61)、51歳(AUC=0.51)、47歳(AUC=0.75)と算出された。年齢は膨らみ(オッズ比 0.95)およびたるみ(オッズ比 0.94)に対して負の影響を与える因子であり、一方、骨膜上ヒアルロン酸フィラーの使用は膨らみ(オッズ比 6.90)および色素沈着(オッズ比 5.05)の改善に正の影響を与えた。

結論

術後1ヶ月時点で、膨らみに対する満足度が最も高かったが、特にたるみについては40代後半以降で満足度が低下する傾向が見られた。骨膜上深部へのヒアルロン酸注入は、膨らみおよび色素沈着の改善効果を高める。PSLSの結果は良好な収束的妥当性を示し、年齢に応じた多角的な眼窩周囲のエイジングケア治療の提案に有用であると考えられる。

執筆医師

松村 圭祐医師の写真

松村 圭祐(Keisuke Matsumura)

  • Web予約をする
  • LINE相談・予約

電話予約受付時間:9:00~23:00 
診療時間:9:00~19:00(不定休)
※一部クリニックは異なります。
LINE相談・Web予約24時間受付中

公式SNS
 X
LINE