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松村 圭祐医師らは、吸収糸リフトにジョールファット脂肪吸引を併用した際の顔面形態変化について、三次元画像解析システムVECTRA 3Dを用いて研究し、論文「Adjunct jowl-fat liposuction increases the inter-zonal volumetric difference after absorbable thread lift: a matched-pair VECTRA 3D analysis」を発表しました。
本研究では、吸収糸リフト単独群と、吸収糸リフトにジョールファット脂肪吸引を併用した群を比較し、顔面の体積変化を三次元的に定量評価しました。その結果、脂肪吸引併用群では、中顔面領域におけるボリューム保持率が糸リフト単独群と比較して約1.45倍高いことが確認されました。
同論文は、2026年7月、国際学術誌「European Journal of Plastic Surgery」にオンライン掲載されました。
| 論文タイトル | Adjunct jowl-fat liposuction increases the inter-zonal volumetric difference after absorbable thread lift: a matched-pair VECTRA 3D analysis |
|---|---|
| 掲載誌 | European Journal of Plastic Surgery |
| 掲載日 | 2026年7月31日 |
| 著者 | Keisuke Matsumura, Takahiko Tamura, Kohki Okumura, Hiroo Teranishi |
| URL | https://link.springer.com/article/10.1007/s00238-026-02530-7 |
糸リフトは、たるみ改善やフェイスラインの引き締めを目的として広く行われている低侵襲治療です。臨床現場では、より下顔面の輪郭を整える目的で、ジョールファット脂肪吸引を併用することがあります。一方で、これまで糸リフトや脂肪吸引併用治療の評価は、患者満足度や写真評価などの主観的評価が中心であり、顔面のどの領域にどの程度の体積変化が生じているかを、三次元的に客観評価した報告は限られていました。そこで本研究では、三次元画像解析システムVECTRA 3Dを用いて、吸収糸リフト単独と脂肪吸引併用糸リフトを比較し、顔面の領域別体積変化を定量評価しました。
本研究は、吸収糸リフト単独群12例と、吸収糸リフトにジョールファット脂肪吸引を併用した群12例を対象とした、単施設後ろ向きマッチドペア解析です。
顔面の三次元画像はVECTRA 3Dを用いて撮影し、術前後の顔面表面を重ね合わせることで、各領域の体積変化をmL単位で解析しました。
評価領域は、口周囲からジョールにかけての下顔面領域をZone 1、中顔面領域をZone 2として設定しました。主要評価項目は、Zone 1とZone 2の体積変化差を示す「inter-zonal volumetric difference index」としました。
脂肪吸引併用群では、糸リフト単独群と比較して、Zone 1とZone 2の領域間体積変化差が有意に大きいことが確認されました。
また、中顔面領域であるZone 2のボリューム保持率は、糸リフト単独群で50.3%であったのに対し、脂肪吸引併用群では72.9%でした。これは、脂肪吸引併用群において中顔面ボリューム保持率が約1.45倍高いことを示しています。
さらに、下顔面領域であるZone 1では、脂肪吸引併用群においてより大きな体積減少が認められました。これにより、ジョールファット脂肪吸引の併用が、糸リフトのcontouring関連効果を客観的に高める可能性が示されました。
本研究は、吸収糸リフトにジョールファット脂肪吸引を併用した際の顔面形態変化を、VECTRA 3Dによって客観的に定量評価した研究です。
従来、糸リフトの効果は写真評価や主観的満足度で語られることが多くありましたが、本研究では顔面を複数の領域に分け、それぞれの体積変化を数値化することで、脂肪吸引併用による下顔面contouring効果と中顔面ボリューム保持の違いを明らかにしました。
今回の結果は、糸リフトと脂肪吸引を組み合わせた治療戦略を、より客観的に評価するための1つの指標となる可能性があります。
