線維芽細胞(Fibroblasts)とは?働きや増やす方法をご紹介

2025/05/14 公開

2025/05/14 更新

肌のハリや弾力が失われてきたと感じた方は、肌の奥深くに存在する「線維芽細胞」が関係している場合があります。線維芽細胞は、肌の弾力や潤いを保つために重要な役割を果たす細胞です。線維芽細胞が減少すると、しわやたるみなどの肌トラブルの原因になるため、肌の健康に必要不可欠な細胞として注目されています。
このコラムでは線維芽細胞とは何か、どのような働きがあるかについて解説します。線維芽細胞を増やす方法についても紹介するので、肌を健康に保ちたい方はぜひ参考にしてください。

線維芽細胞とは

線維芽細胞(せんいがさいぼう)とは、皮膚の真皮や全身の結合組織に存在する細胞です。真皮に存在する線維芽細胞は「真皮線維芽細胞」と呼ばれ、肌のハリや弾力、潤いを保つために必要なコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成する役割を持ちます。線維芽細胞が活発に働くと肌の新陳代謝がスムーズに行われ、ハリのある健康的な肌を維持します。一方で、細胞の機能低下や数が減少すると、しわやたるみなどの肌トラブルを引き起こすため注意が必要です。
線維芽細胞は他にも、肌の血管機能の維持や女性ホルモンの生成、肌の傷の修復促進などさまざまな役割があります。

参考元:市橋正光,吉本聖,安藤秀哉,「皮膚のアンチエイジング」,オレオサイエンス,第18巻第3号, 2018年

皮膚の構造

線維芽細胞は肌の健康を支える重要な細胞ですが、その役割を正しく知るには、皮膚の構造を理解する必要があります。皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層から構成されています。

皮膚の断面図

表皮
表皮は肌の外側にある0.2ミリの薄い膜で、外部からの異物の侵入を防ぐバリア機能の働きを持つ層です。角質層・顆粒層・有棘層・基底層の4層で成り立ち、細胞は徐々に角質層に移動し、垢となって剥がれ落ちます。表皮は常に生まれ変わり、約28日の周期でターンオーバーを繰り返します。

真皮
真皮は2〜3ミリの厚みがある皮膚の大部分を占める層で、美容効果に直結する重要な組織です。真皮には線維芽細胞があり、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成します。コラーゲンやエラスチンが網目状に敷き詰められ、隙間を埋めるようにヒアルロン酸が存在し、肌のハリや弾力を保つ働きを担います。

皮下組織
皮膚のもっとも内側にあり、表皮と真皮を支える皮下組織は、脂肪を多く含む層で保温機能や外部刺激を和らげる役割があります。血管や神経、汗腺などを保護し、皮膚への栄養伝達や老廃物を排出する機能も担っています。

線維芽細胞の働き

真皮の断面図

線維芽細胞は細長い形状をしており、間葉系幹細胞から分化する細胞の1種です。
肺・心臓・大動脈外膜・子宮・皮膚などの体内に存在する細胞で、細胞同士をつなぐ結合組織を形成しています。他の細胞と比べて細胞分裂の周期が比較的早い特徴があります。
皮膚の真皮に存在する線維芽細胞は、肌の三大構成要素であるコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を作り出す働きがあり、再生医療の美容分野において応用されている重要な細胞です。また、炎症や損傷によって組織が傷ついた時には、線維芽細胞が増殖し、損傷部の修復を担います。

参考元:
宝田剛志,「生体内での間葉系幹細胞系譜の分子理解と、その応用」,薬学雑誌,第139巻 867-871ページ,2019年
竜瑞之,「ヒト皮膚線維芽細胞の細胞外マトリックスタンパク質発現におけるラクトフェリンの役割に関する研究」,大阪府立大学,博士論文,2018年

コラーゲン

コラーゲンは真皮の70〜80%を占めるタンパク質で、表皮と皮下組織を支え、肌のハリや弾力をもたせる重要な成分です。網目状に形成されているコラーゲンは、細胞同士をつなぐ働きをもっており、血管や筋肉の強度維持や、皮膚・骨・粘膜を形成する役割も担っています。

エラスチン

エラスチンは真皮内に約2%含有されるタンパク質で、コラーゲン線維を束ねる役割を担っており、しなやかで弾力のある肌を作っています。エラスチンが減少すると肌の弾力が失われるため、しわやたるみの発生や、血管の老化が早まる可能性があります。

ヒアルロン酸

真皮の隙間を埋めるヒアルロン酸は、肌の保湿に必要なゼリー状の成分です。ヒアルロン酸は1グラムで6リットルの水分を保つことが可能と言われており、真皮の構造を安定させる役割があります。常に一定の水分量を保つよう調整されており、肌の保湿力を維持しています。

線維芽細胞を増やす方法

線維芽細胞は肌のハリや潤いを保つ重要な役割を担っていますが、加齢とともに徐々に減少します。線維芽細胞が減ると、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸など美肌成分の産生も減少するため、肌の弾力や保湿力が低下し、しわやたるみが現れやすくなります。
線維芽細胞を増やすには再生医療が有効とされており、食事やサプリメントの摂取で直接的に線維芽細胞を増やすことは難しいとされています。ただし、セルフケアによって線維芽細胞の機能をサポートし、減少を食い止める効果は期待できます。

セルフケア

線維芽細胞の減少を食い止めるアプローチにおいては、セルフケアによる紫外線対策が重要です。紫外線A波(UVA)は、窓ガラスを透過して室内にも降り注ぎ、活性酸素によって真皮の線維芽細胞を傷つけます。普段から日焼け止めを塗る、外出時には日傘や帽子を着用するなど、必ず紫外線対策をスキンケアに取り入れてください。
また、トマト、ブロッコリー、人参などの緑黄色野菜を積極的に摂取することもおすすめです。緑黄色野菜には、体内でビタミンAに変換されるβカロテンやビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化成分が含まれています。抗酸化成分は紫外線によって生じる活性酸素のダメージを軽減する作用があるため、線維芽細胞の減少を防ぐ効果が期待できます。

再生医療

線維芽細胞は、再生医療の技術で増やすことが可能です。再生医療では、自身の耳の裏側から皮膚を一部採取し、線維芽細胞を培養・増殖した後に皮下注入で体内に移植します。注入された線維芽細胞の定着により、しわやニキビ跡、たるみなどの肌質改善に効果が期待できます。
TCB東京中央美容外科では、肌の再生医療として線維芽細胞療法を取り扱っております。当院は再生医療第二種医療機関より再生医療提供の認可を受けた医療機関ですので、お気軽にご相談ください。

まとめ

線維芽細胞とは、肌のハリや弾力、潤いを保つために必要なコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成する役割を持つ、皮膚の真皮に存在する細胞です。線維芽細胞の働きや細胞の数が減少すると、しわやたるみなどの肌トラブルにつながります。
線維芽細胞は再生医療で増やすことが可能です。TCB東京中央美容外科では、線維芽細胞療法(肌の再生医療)を提供しています。ぜひ一度、無料カウンセリングにお越しください。

このQAを監修したドクター

寺西 宏王

梅田大阪駅前院 院長

寺西 宏王

TCB「理事長」として関西で活躍するドクタービーバーの愛称で知られる医師。 繊細な施術を得意とし、二重整形・目の下のクマ・鼻整形等ジャンルを問わない整形術は精密な仕上がりと高いクオリティとして有名。 【日本外科学会 会員】

経歴
2004年
兵庫医科大学 卒業
2004年
兵庫医科大学病院
2006年
京都医療センター 外科
2007年
京都大学医学部付属病院 心臓血管外科
2007年
静岡県立総合病院 心臓血管外科
2012年
小倉記念病院 心臓血管外科
2016年
小倉記念病院 心臓血管外科 副部長
2019年
東京中央美容外科 京都駅前院 院長
2020年
東京中央美容外科 梅田大阪駅前院 院長
備考
ボトックスビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医
日本外科学会 専門医
日本心臓血管外科学会 専門医
日本胸部外科学会 正会員
日本血管外科学会 正会員
日本冠動脈外科学会 正会員
日本美容医療学会 正会員

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