ヒアルロン酸注射で皮膚が壊死する原因|初期症状について解説

2024/12/30 公開

2025/01/15 更新

ヒアルロン酸注射で皮膚が壊死する原因|初期症状について解説

ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分で、水分量を保つ役割を持ちます。ヒアルロン酸注射とは注射器でヒアルロン酸を注入する治療で、涙袋形成やしわ改善など、注入する部位によってさまざまな効果を得られるため、多くの方に利用されています。切開を伴わないため、他の施術と比べてダウンタイムや副作用が少ない特徴がありますが、ごくまれに血流障害による皮膚の壊死を引き起こす恐れがあります。
このコラムでは、ヒアルロン酸注射で皮膚が壊死する原因を解説します。壊死しやすい方の特徴や、初期症状についても説明しているので、ヒアルロン酸注射を検討しているけれど副作用が心配な方は、参考にしてください。

ヒアルロン酸注射で皮膚壊死する原因

ヒアルロン酸注射後の皮膚の壊死は、血流障害によって起こります。血流が遮断された状態が長時間続くと、血液が行き届かず皮膚が壊死する恐れがあります。血流障害が起こる主な原因は、下記の2つです。

  • ヒアルロン酸の詰まり
  • 腫れによる圧迫

ヒアルロン酸の詰まり

ヒアルロン酸注射は皮膚内に注入する治療ですが、誤って血管内に注入されると、ヒアルロン酸によって血管が詰まりやすくなります。血管が詰まると、血液が遮断されて皮膚の壊死が起こる恐れがあります。

腫れによる圧迫

血管内にヒアルロン酸が注入されていなくても、血管に近い位置にヒアルロン酸を注入すると、患部が腫れて血管を圧迫する可能性があります。血管の圧迫が続くと、血液が行き届かず、皮膚の壊死につながる場合があります。

皮膚が壊死しやすい方の特徴

皮膚が壊死しやすい方の特徴

皮膚の壊死は発生しにくい症状ですが、ヒアルロン酸注射を受ける方の状態によっては、壊死が起こる確率が高くなります。皮膚の壊死が起きやすい方の特徴は、下記の4つです。

  • 大量に注入している
  • 何度も注入している
  • 血管が密集する部位に注入している
  • 他の施術も受けている

大量に注入している

一度に適正量よりも多くのヒアルロン酸を注入した場合、血管が圧迫され、皮膚の壊死につながる可能性が高まります。豊富な実績を持つ医師であれば注入する部位に合わせて適正な量を判断できるため、信頼できるクリニックで治療を受けることが大切です。

何度も注入している

ヒアルロン酸は体内で吸収されるため、治療の効果を保つには何度もヒアルロン酸を注入する必要があります。ヒアルロン酸注射は血流障害以外にも、痛みや腫れ、内出血などの副作用が発生する可能性があり、治療を受けるたびに副作用のリスクを伴います。
また、以前注入したヒアルロン酸が残っているうえに同様の量を注入すると、結果的に適正量より多くなり、血管が圧迫されやすくなる可能性もあるため、事前に医師へご相談ください。

血管が密集する部位に注入している

鼻先や鼻翼基部など、血管が密集している部位のヒアルロン酸注射は、血管が圧迫されて血流障害を引き起こすリスクがあります。血流障害は、周辺の皮膚が壊死する恐れがある大変危険な症状です。危険な部位には注入していないクリニックを選択するよう、注意してください。また、鼻翼基部に近いほうれい線へ注入する際も、注入部位がズレると血流障害を引き起こす可能性があるため、解剖学を熟知した信頼できる医師の治療を受けることを推奨します。

他の施術も受けている

ヒアルロン酸注射以外の施術を受けたことがある部位にヒアルロン酸を注入する場合、皮膚が壊死する可能性が高まると言われています。他の施術を受けたことがある方は、ヒアルロン酸注射を受ける前に、医師に申告してください。

ヒアルロン酸注入による皮膚壊死の初期症状

皮膚の壊死を防ぐには、初期症状の段階で早期発見し、適切な処置を行う必要があります。皮膚の壊死につながる初期症状は下記の3つです。これらの症状が発生した場合は、治療を受けたクリニックに相談してください。

  • 白くなる
  • 腫れる
  • 痛む

白くなる

皮膚が壊死する初期症状の1つに、注入した部位の皮膚が白くなる症状があげられます。色の変化はヒアルロン酸を注入した直後に現れ、時間の経過とともに白から赤、紫、黒へと変色していきます。色が変化している状態で放置をすると、皮膚の深部まで壊死が進行する恐れがあるため、患部が白く変化した際は早急に医師に相談してください。

腫れる

患部の腫れやむくみは、ヒアルロン酸注射後に現れるダウンタイムの症状の1つですが、皮膚の壊死が起こっている場合は、色の変化と同時に患部が腫れる場合があります。壊死を起こしていなくても腫れは発生するため、壊死の初期症状とは断定できませんが、1ヶ月以上腫れが引かずに周囲も腫れてきた際は、注意が必要です。

痛む

ヒアルロン酸を注入している最中に患部が痛む場合は、血管内にヒアルロン酸が注入されている可能性があります。血管内にヒアルロン酸が注入されると皮膚の壊死につながる恐れがあるため、注射針の刺激以外に痛みを感じる場合は、医師に申告してください。

皮膚壊死した場合の対処方法

皮膚壊死の初期症状が現れた際の主な対処方法は、下記の3つです。

  • ヒアルロン酸溶解剤を注入する
  • 温める
  • マッサージをする

初期症状は注入直後にも現れるため、症状の疑いがあると、その場でヒアルロン酸溶解注射を打つ場合があります。ヒアルロン酸溶解注射は、体内に注入されたヒアルロン酸を溶かす効果があるため、壊死の原因である血流障害を防ぎます。また、患部を温める、マッサージをするなどの血流を促す行為も、血流障害の防止に効果的です。ダウンタイムの痛みを抑える方法の1つに患部の冷却があげられますが、血流障害を起こしている場合は悪化する恐れがあるため、痛みの原因が血流障害ではないことを確認してから冷やしてください。
皮膚が壊死すると、壊死した組織を取り除き、取り除いた部位に皮膚移植をする必要があります。皮膚移植は身体に大きな負担を与えるため、初期症状の段階で対処をすることが大切です。

まとめ

ヒアルロン酸注射はダウンタイムや副作用が少ない治療ですが、血流障害によって皮膚の壊死が起こる可能性があります。壊死は起こりにくい症状ですが、ヒアルロン酸の注入量や注入する部位の影響で、発生する確率が高まる場合があります。壊死を防ぐには、初期症状の段階で適切に対処をする必要があるため、患部が白くなる、痛むなどの違和感がある際は、すぐに医師に相談してください。
TCB東京中央美容外科では経験豊富な医師がヒアルロン酸の注入を行っており、万が一トラブルが発生した際のアフターサポートも徹底しています。治療を検討している方は、無料カウンセリングにてお気軽にお問い合わせください。

このQAを監修したドクター

寺西 宏王

梅田大阪駅前院 院長

寺西 宏王

TCB「理事長」として関西で活躍するドクタービーバーの愛称で知られる医師。 繊細な施術を得意とし、二重整形・目の下のクマ・鼻整形等ジャンルを問わない整形術は精密な仕上がりと高いクオリティとして有名。 【日本外科学会 会員】

経歴
2004年
兵庫医科大学 卒業
2004年
兵庫医科大学病院
2006年
京都医療センター 外科
2007年
京都大学医学部付属病院 心臓血管外科
2007年
静岡県立総合病院 心臓血管外科
2012年
小倉記念病院 心臓血管外科
2016年
小倉記念病院 心臓血管外科 副部長
2019年
東京中央美容外科 京都駅前院 院長
2020年
東京中央美容外科 梅田大阪駅前院 院長
備考
ボトックスビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ® バイクロス 認定医
日本外科学会 専門医
日本心臓血管外科学会 専門医
日本胸部外科学会 正会員
日本血管外科学会 正会員
日本冠動脈外科学会 正会員
日本美容医療学会 正会員

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