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2021/02/15 公開
2024/04/01 更新
昔も今も、患者様からのお悩みで多い「鼻整形」。
お顔の中心に位置する”鼻”は、顔全体のイメージを決める大事なパーツとして、日々ご相談があるのが実情です。現代では切開を必要としない「切らない整形」から本格的な手術まで、施術方法も多様化しています。
まず、鼻の形を美しくするために美容外科が出来る美容整形は、次の4つとなります。
症例写真でみる美しい仕上がりの鼻は、主にこの4つの美容整形の組み合わせで成り立っています。ここではそれぞれの美容整形について、最新のトレンドを交えて説明したいと思います。
鼻を高くする(鼻筋を通す)ことを隆鼻術といいます。生まれつきの鼻の高さは鼻骨と鼻軟骨の高さで決まっていますが、鼻骨や鼻軟骨そのものを高くしたり上に引っ張ることは出来ません。鼻を高くしたり鼻筋を通すためには、何らかのマテリアルを鼻筋に入れる必要があります。現在主な美容外科で用いられている隆鼻術用のマテリアルは次の3つです。
50年以上歴史のある隆鼻術の代表的なマテリアルで素材はシリコン製です。少なくとも現在のシリコンはブラックライトで光ることやレントゲンで写ることはありません。一方、CTやMRIなどで鼻の断面を調べると挿入されているプロテーゼを確認することができます。挿入法としてはオープン法とクローズド法(※下図参照)があります。オープン法は鼻柱部を切開して挿入、クローズド法は鼻の穴の中の見えない部分を切開して挿入します。オープン法は挿入が容易ですが傷が見えてしまうので現在はクローズド法が主流です。
プロテーゼにはI型、L型の2タイプがあります。使い分けとしては、I型は鼻背を高く、L型は鼻背から鼻尖にかけて高くする際に用います。自然な仕上がりにするためには、いずれの型も既製品をそのまま用いるのではなく執刀医がオーダーメイドで形を整えて挿入するのが望ましいです。プロテーゼは溶けるものではないので永久的にきれいな鼻を保つことができます。また、意外にも入れ替えや交換がしやすいのもメリットです。年齢とともに高さや形の好みが変わってきた際は、シリコンは体内で癒着しないためコツさえ掴めばスルッと抜くことができます。欠点としては、挿入する層が浅すぎるとグラグラと動いたり形が目立つことがあります。またL型プロテーゼの場合は鼻の長さより長いものを入れた際に、鼻尖に圧力がかかって鼻先が赤く炎症を起こしたり突出してくることがあります。L型プロテーゼを挿入する際は鼻尖に圧力がかからないよう、鼻根部(眉間に近い部位)まで十分に剥離操作を行い、サイズも余裕のあるものを選択しなくてはなりません。
※現在、TCBではL型を使用していません。
手軽で安価な隆鼻術用の液状マテリアルです。ヒアルロン酸は生まれつき人間の身体の中にあるものだということ、みなさんご存知ですか?ヒアルロン酸は関節の中や皮膚、眼球の中など身体のあらゆる部分に豊富に含まれている成分です。隆鼻術に用いられるヒアルロン酸は、デザイン性に優れた硬めのものを選ぶのが望ましいです。柔らかいヒアルロン酸を用いると太いぼやけた印象の鼻になってしまうからです。ヒアルロン酸による隆鼻術のメリットは、傷が針穴程度で気軽なこと、概ね安価であること、仕上がりが好みでなければ溶かすことができることなどがあげられます。特に鼻根部だけを高くしたい場合は、ヒアルロン酸隆鼻術が良い適応だと思います。
デメリットとしてひとつ、是非知っておいていただきたいことがあります。それはヒアルロン酸が血管内に注入されることによる組織壊死の可能性です。具体的には、ヒアルロン酸を鼻根・鼻背に注入する際の失明、鼻尖に注入する際の鼻尖・小鼻の壊死が報告されています。
血管(動脈)の中にヒアルロン酸が注入されてしまうと毛細血管の中にヒアルロン酸が詰まり、細胞に行き渡るはずの酸素や栄養分が遮断されてしまいます。注入直後から皮膚の色調が虚血様(白ないし紫色)に変化し明らかな痛みを伴う場合は血管内注入を疑い、速やかにヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸を溶かすことができる薬剤)を注入しなければなりません。ただし一旦血管に注入されたヒアルロン酸を完全に溶かすことはできないため、後遺症が残る場合があります。
血管は表面からは見えませんので、この危険性を完全に排除するのは不可能です。私の場合は動脈圧を上回る強い圧で注入しないこと、危険性の特に高い部位(鼻で言えば鼻尖や鼻背脇)への注入を避けること、患者様の皮膚の状態や痛みを細かにチェックしながら注入すること、などを心がけてヒアルロン酸注入を行っています。
ポリカプロラクトン(PCL)は生体内で最大2年近くかけて吸収される生分解性プラスチックマテリアルです。鼻用の製品はボール状やヒモ状、網状に成形してあり、隆鼻術だけでなく鼻尖の形成にも用いることができます。PCLが鼻の施術に用いられるようになったのはここ数年ですが、PCLを含む生分解性プラスチックが医療に用いられるようになった歴史は意外に古く、美容外科だけではなく一般外科系処置の際の『埋没縫合(中縫い)』で用いられる“吸収糸”の成分として、昔から生分解性プラスチックが使われてきました。絹糸やナイロン糸と違って溶ける成分なので皮膚や粘膜を縫うのに都合が良いためです。
PCLはおよそ2年以内で溶けてしまいますが、その後も鼻筋がきれいなままなのはどうしてでしょうか。それは新しく身体の中にできたコラーゲンによるものと考えられています。身体の中でPCLが芯になって生成されたコラーゲン成分がPCLにとってかわって鼻の土台として終生残ってくれるのです。PCLによる隆鼻術は基本的に針穴程度の傷で行うことができます。そのためダウンタイムがほとんどありません。またヒアルロン酸と違い、入れすぎによる鼻幅拡大(アバター様顔貌)や血管内注入による組織壊死のリスクがないことも大きなメリットです。
デメリットとしては一度挿入すると完全に抜去するのが困難な点があげられます。生体内で溶けてしまうので抜去しようとするとホロホロに崩れることがあるからです。
鼻を長くする美容整形って想像できますか?アジア人の鼻は短鼻傾向(短い鼻背、鼻尖の挙上)がありますので、鼻の整形を希望される方のうち鼻を長くしたい方の割合は意外と多い印象です。鼻尖や鼻柱を下方向に伸ばすことで、上に向きすぎた鼻を下向きに変えたり鼻中隔が下に伸びたいわゆる“美人鼻”にしたりといったことができます。合併症(壊死)の観点から、ヒアルロン酸が鼻を長くするために使われる(つまり鼻尖や鼻柱に注入される)ことはほとんどありません。
鼻先を細くすることを鼻尖形成といいます。いわゆる「団子鼻」の方は鼻先が丸く見えますが、この丸くなった部分を細くシャープにするのが鼻尖形成です。
丸い鼻尖を構成するのは皮膚、皮下組織、大鼻翼軟骨の3つの組織です。皮膚そのものを薄くすることは不可能なので、鼻尖形成では皮下組織と大鼻翼軟骨に手を加えることになります。
ちなみに鼻尖への脂肪溶解注射はほぼ効果がありません。鼻尖の皮下組織に含まれる脂肪に対して脂肪溶解注射を行うクリニックがありますが、皮下組織に含まれる脂肪の量は極めて少ないからです。
鼻尖形成は原則クローズド法(おもてから傷が見えない切開)で行います。皮下組織については見える範囲で可及的に切除します。大鼻翼軟骨については、張り出しが強ければ部分的に切除して張り出しを抑え、左右の大鼻翼軟骨間の距離を縮めて鼻尖がシャープになるよう縫合を行います。この縫合法については先生方それぞれで微妙に手法が異なっていますが、要点はいかに形を崩さずに細く小さく整えるかで、術者の腕の見せどころといえるでしょう。
鼻尖形成のデメリットとしては、大鼻翼軟骨を寄せすぎるとオウム鼻変形(pollybeak deformity《左図》)という独特の鼻尖形状になることがあります。実際に自分の鼻を左右からつまんでみるとつまんだ部分が不自然に盛り上がるのがわかると思います。鼻尖形成では過度に縮小しすぎるとこの変形が起こりうるので注意が必要です。
「鼻を小さく見せたい」「笑ったときの鼻の広がりをどうにかしたい」「鼻の存在感をなくしたい」。小鼻を小さくすることを鼻翼縮小術といいます。
小鼻(鼻翼ともいいます)の張り出しが目立つ方には鼻翼外側切開、鼻の穴(鼻孔)の大きさが目立つ方には鼻翼内側切開を行います。外側・内側を同時に切開することも可能です。
外側切開については、どれほど小さくしたいかに応じて切除幅を決定します。鼻の皮膚は粘り気が少なくカリカリとしていますので、傷をきれいに縫合するには技術が問われます。
切り方によっては(明らかな失敗例と言いきることはできませんが)tear drop deformityといって鼻孔が不自然な涙型に変形することがあります。
外側切開と内側切開を同時に行うと小鼻の張り出しが小さくかつ鼻孔も小さくなり、いわゆる存在感のない鼻に近づけることができます。ただし切りすぎるとコンセント様変形を起こす可能性があるので、術前のデザインはより慎重に行う必要があります。
鼻のカウンセリングは、患者様の「ここをこうしたい」という目的が一番大切です。理想の鼻の写真やイメージを手にカウンセリングを受けていただくのも良いでしょう。
カウンセリングでは、医師が鼻の状態を診察し、高くする(鼻筋を通す)・伸ばす・細くする・小さくするのどれが必要か、どう組み合わせるかという方針を決めます。ダウンタイムや予算、傷が見えても良い・見えないほうが良いなど具体的な希望をお聞きしたうえで最終的な術式を決定します。鼻の手術は原則、局所麻酔のみで行います。
鼻尖部を扱う手術の際は鼻尖に麻酔を注射するのですが、注射針がどんなに細くても鼻尖の麻酔は痛いのであらかじめ眼窩下神経のブロック注射を加えると痛みが大分緩和されます。オープン法で行う手術は鼻柱と鼻孔内の両方を切開して行います。鼻柱の傷はおもてから見える部分にできますが経過とともに目立ちにくくなります。
クローズド法で行う手術は鼻孔内の見えない部分のみを切開して行います。おもてから見えない小さな切開のみで手術を行うためオープン法より難易度が高く、クローズド法でしっかりとした手術を行うには十分な知識と経験が必要です。注射や針穴のみで行う手術は、傷ができず局所麻酔をあまり使わない「侵襲(ダメージ)の小さな美容整形」として最近の鼻整形のトレンドになっています。
切開を伴う施術の場合、抜糸までは5~7日です。
鼻の施術は当日からメイクが可能です。ただしオープン法の場合、傷の上の部分は抜糸までメイクは控えていただきます。注射や針穴のみで行う手術はダウンタイムはほぼないかあっても数日です。プロテーゼによる隆鼻術、鼻尖形成、鼻中隔延長などの術後は少なくとも24時間以上の固定が必要になります。
鼻は血管と血流が密に分布しているので想像以上にむくみや内出血がでることがあります。
むくみは数日、内出血は1週間前後で目立たなくなりますが、1時間以上かかるような侵襲(ダメージ)の大きな手術をお受けになる場合はその点にも注意しておくと良いと思います。
個人的に、鼻の手術は得意な施術の1つです。
得意な理由として、
①デザイン(センスが試される)
②切開(鼻ではなめらかさだけではなく深さ加減が問われる)
③剥離(小さなワーキングスペースで繊細に行う)
④鼻を、縫合(顔の他のパーツよりも難しさがある)
という外科基本手技の4つのエッセンスがバランス良く含まれた施術だからです。
毎回手術を、気合を入れて担当させていただいています。
美容外科は日々着実に進歩しています。今回は最近のトレンドも含めた鼻整形の実情を説明させていただきましたが、次回お話しさせていただくときにはもっと新しくて魅力的な手術が開発されていることを、私自身期待しています。
TCB「エリア総括院長」として関西で活躍するドクタービーバーの愛称で知られる医師。 繊細な施術を得意とし、二重整形・目の下のクマ・鼻整形等ジャンルを問わない整形術は精密な仕上がりと高いクオリティとして有名。 【日本外科学会 会員】
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